“わからない”を受け入れる力が、子どもの学びを伸ばす
- minatocolabo
- 8月5日
- 読了時間: 4分

こんにちは。名古屋市瑞穂区の小学2年生からの科学・探究教室、ミナトコラボです。
「生徒のわからないことがわかるか?そうじゃないと、わからないことがないように説明できない」
これは、私が高校で新人教員だった頃、授業を指導してくれたある先生に言われた一言です。
たしかに、わかりやすい説明や理解を助ける工夫は、教育の基本です。
私自身も、経験を重ねるにつれて「どこがわかりにくいのか」が少しずつ見えるようになりました。
でも――
それがすべてではないと、あるとき気づかされた出来事があります。
フィンランドの授業で出会った「わからないままでも不安じゃない」生徒たち
10年前、私は教育研修のためにフィンランドとスウェーデンを訪れました。
高校を視察したとき、
そこでは、生物の授業で少し難しめのデータ分析を扱っていました。
クラスの半分くらいの生徒が、正直、あまり理解できていない様子でした。
でも先生は、それに対して特にフォローを入れるわけでもなく、授業は進みます。
生徒たちも、積極的に取り組みながらも、授業後に質問に行く様子はありません。
気になって、授業後に数名の生徒に話を聞いてみました。するとこんな答えが返ってきたのです。
「たしかに、難しくて今はよくわからない部分もある。でも、もっと生物や数学を勉強していけば、きっとそのうちわかると思う。
もしすごく大事なことだったら、先生がもう一度教えてくれると思うし。」
その表情には、不安は見られませんでした。
「今はまだできない」という状態を、自分の中で受け止めているのです。
学びは一回で完結しない。「わかるまで」つながっている
当時の私は、「単元は一度きりのもの」「すぐに理解させられる先生=いい先生」
そんな風に、どこかで思い込んでいたのかもしれません。
でも、彼らの姿を見て気づかされました。
学びって、1回で終わることじゃない。時間をかけて、少しずつ育てていくものなんだ。
そのあと、高校の授業で、難しいテーマを扱うときにはこう伝えてみました。
「今日は、ちょっと難しい内容だから、全部すぐに理解できるとは限らないと思う。
でも、わからない部分があっても、そのあとわかる部分がまた出てくることがあるし、授業の最後まであきらめずに参加することが今日の目標。
テストまでには必ずもう一度扱うから、今“わからない”と思っても安心して大丈夫。」
すると、以前なら難しい単元で途中離脱してしまっていた生徒たちが、
最後まで粘って授業に参加してくれたのです。
小学生の学びも、“今はまだ”で大丈夫
この経験を通して、私は思います。
「今はまだできない」状態を、受け入れられることこそが、学びの土台なのだと。
それは、高校生に限らず、小学生にもまったく同じことが言えるはず。
特に受験や評価を意識すると、親も本人も、「今、できてるかどうか」に目が行きがちです。
でも――子どもたちの学びは長い旅です。
今すぐにわかること、それは素晴らしいけど、
今はまだわからないけど、「自分なら、後でわかるようになる」と思えること、どちらも素晴らしい。
親が「今はわからなくても大丈夫」と信じて見守れるとき、
子どもも安心して、“わからないまま”の自分を受け止められるようになると思います。
わからない自分を信じられる力が、未来を切り開く
学びは、いつも一本道ではありません。
歩く速さもひとぞれぞれ
でもその中で、「わからないけど、大丈夫」な力を育てていくことが、
何よりも将来の大きな力になると思います。
子どもが「今はまだ」と言えるとき、
私はその言葉の奥にある、未来への信頼を見逃さないようにしたいです。
おわりに:ミナトコラボで育てたい「わからなくても大丈夫」な子
ミナトコラボでは、「すぐにできる」より「深く考える」ことを大切にしています。
難しいテーマにもチャレンジし、“わからない”を楽しめる学びを、これからも続けていきます。
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